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"おいしい"減塩生活をはじめよう!
塩分は、人間にとって欠かせないものである一方、摂りすぎるとさまざまな病気につながります。 「"しょっぱい"ものはそんなに食べていないから大丈夫」と思っていても、意外なものに塩分が多く含まれていたり、日々の食習慣によっては、いつの間にか塩分を摂りすぎていたりすることもあります。 まずは、塩分に注目しつつ、日々の食生活を見直してみましょう。
まずは下記のチェックリストで、普段、どれくらいの塩分を摂っているかをチェックしてみましょう。
※製鉄記念八幡病院 院長 土橋卓也氏作成「あなたの塩分チェックシート」を参考に編集部にて項目を作成
いかがでしたか?上記項目のような食習慣では、食塩摂取量が多めになりがちです。 そもそも日本人は、世界と比べて食塩摂取量が多いことで知られています。厚生労働省「国民健康・栄養調査」(令和元年)の結果によると、日本人の食塩摂取量の平均値は10.1g。 男性は10.9g、女性は9.3gで、年齢別では男女とも60代が最も高くなっています(男性11.5g、女性10.0g)。 この10年間でみると減少してはいるものの、直近5年間はほぼ横ばい。また、WHO(世界保健機関)が成人の目標量としている1日5g未満(食塩相当量)と比べると、まだまだ多い状況です。 ちなみに厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、成人の目標量(食塩相当量)を男性は1日7.5g未満、女性は1日6.5g未満としています。
このように、世界や国での目標値に対して日本人の食塩摂取量は、まだまだ高い状況であることが分かります。その理由のひとつとして考えられるのが、日本の伝統的な食文化である和食。 旬の食材を大切に、一汁三菜を基本とする献立は欧米の食事に比べて動物性の脂質が少ないため肥満を引き起こしにくいとして、世界的にも注目を集めています。 ところがその健康的な面の一方で、煮物や味噌汁、焼き物など和食の多くが醤油、味噌、塩で調理するため食塩摂取量が多くなりやすいという面もあります。 それは、日本特有の温暖湿潤な気候のため、保存が利く漬物や干物といった昔ながらの加工食品が豊富で、醤油や味噌などでの味付けを基本とするなど、食塩を多く摂る食習慣を反映しているからとも考えられています。
塩分は、人間にとって欠かせない栄養素のひとつ。 ユネスコ無形文化遺産にも登録されている和食でも、そのおいしさと塩分は切っても切れない関係にあります。
伝統的な食文化に加え、現代の食生活では、惣菜や弁当などを食べたり、外食をしたりする機会が増えたことも一因と考えられています。 身近なもので塩分の多い食品・料理には、ラーメンやうどん(5~7g)、ミートソースやカルボナーラなどのスパゲッティ(3~5g)、牛丼(3~5g)、カレーライス(3~5g)などがあります。 さらに食品の中には、塩気を感じなくても、意外に塩分の多いものもあります。
これをよりイメージしやすいように、一般的な朝食メニューでみてみると・・・・・・
和食は洋食よりもエネルギー量は少ないですが、塩分は約1.5倍。 洋食も塩分は少なめとはいえ、厚生労働省の塩分の目標摂取量(男性1日7.5g未満、女性1日6.5g)と照らし合わせると、和食は1食で、しかも朝食で1日のほとんどの量を摂ることになります。
和食では、塩鮭を生鮭に変え、自分で塩をふるだけでも塩分量を減らすことができますし、漬物や梅干しを控えれば、塩分を大きく減らすことができます。 おひたしや納豆を食べる場合は、ごまや鰹節などを加えて風味をよくしたり、醤油をポン酢やだし醤油などに代えたりするのも良いでしょう。 何にでも醤油をかける習慣がある方は、まず食べてみてから調整すると良いですね。
洋食では、メーカーにもよりますがコンソメやブイヨンは塩分を多く含むものが多いため、スープを作る場合は量を調整するのがおすすめです。 そして、パンは意外と塩分が多いことも忘れずに。バターは普段から無塩を選ぶようにすると良いでしょう。
減塩の第一歩は、食事の際に塩分について意識することからはじまります。 日々の食事を見直して、"おいしい"減塩生活の第一歩を踏み出しましょう。
次回は「毎日の食事で塩分摂取量を減らすコツ」をご紹介します。
※記事中の塩分、エネルギー量は目安です。文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」に基づき計算しています。
監修:浅野まみこ 氏
管理栄養士/株式会社エビータ代表取締役
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリング等で栄養相談実績を積み、1万8千人以上の栄養相談を実施、行動変容をベースとした栄養カウンセリングのプログラムを確立。糖尿病が専門領域。現在は、企業の健康経営サポートやヘルスケアの人材育成、商品開発、レシピ開発をはじめ、健康サービスなどの食と健康のコンサルティングを中心に活躍。講演、イベントで全国を回り、年間の講演数は100時間以上。コンビニなどを使った身の回りのわかりやすい栄養解説が人気を呼び、TBS「名医のTHE太鼓判」、NHK「おはよう日本」をはじめメディア、雑誌等でも監修やコメント等で多数出演中。『コンビニダイエット』(星海社新書)、『夜9時からの遅ごはん』(誠文堂新光社)など著書多数。夕刊フジ毎週水曜日にコラム連載中。
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