スペインは世界のオリーブ畑の25％を保有していると言われオリーブオイルの生産量は世界一。
しかしながら高品質エキストラバージンオイルに関しては、その生産者がごく限られます。
私は一般市場にはなかなか出回らないような高品質なオリーブオイル作りに情熱をもって取り組んでいます。
また、自らの土地と土着品種の可能性を信じて頑張る小規模な農園を訪れるのがとても好きなのです。
このスペインにもそのような農園があり、折りを見ては訪れています。
スペイン南部のアンダルシア州で非常に優れたエキストラバージンオリーブオイルを作り続けているオーロバイレン社もその一つ。
このとても暑い地域の主要な品種はピクアルです。
通常は果実が熟した時点で収穫されるためオイルに主だった特徴はありません。
まだ熟していない緑色のオリーブ果実を収穫すると世界で唯一とも言えるほど素晴らしい風味のエキストラバージンオリーブオイルに仕上がります。
昨夏は、ヨーロッパ全体でもそうでしたし、ここアンダルシア地方でも過去最高の暑さを記録しオリーブ農家にとって厳しい年でした。
例えばスペインでは通常の年の50％ほどしかオイルが生産されませんでしたし、さらには品質も全体的に低かったようです。
そのような自然環境の中、オーロバイレン社は、広大な農場に情熱を注ぎ、アンダルシア地方を代表するピクアル種の素晴らしいエキストラバージンオリーブオイルを生み出しました。
ピクアル種は、とても頑健な木なのでこのような優れたエキストラバージンオリーブオイルを生み出すことができた唯一の品種だったと言えます。
このエキストラバージンオリーブオイルには、アンダルシアの太陽と大地の力が込められており、この土地とそこで暮らす人々の魂を完璧に表現しています。
風味は、この土地の闘牛やマタドールのように力強く濃厚ですが、穏やかでもあります。
